2011年11月21日

「福島の人を(皆)西日本に疎開させるべき」という意見について

まず、前提として疎開したい人は疎開すればいいんじゃないと考えていることを明記しておく。
さて、「福島は危険なのだから特に子どもを中心に疎開させるべき」という意見がちらほらある。
しかしこの意見には何点かの問題がある。

1、疎開にいっても(避難しても)結局いじめられて帰ってくる事実が現実にあること。
この点をなんとかしないと、疎開させても意味がない。このいじめを生み出すのは過剰な「福島・東北は汚染されている」という意識だ。

例えば、地震で発生したがれきをどうするかということに対して、反発する自治体が多いと聞くが、反発が正当なほど本当に放射線量が高い物があるのだろうか。ちょっと考えてほしい。

この地図は早川由紀夫氏が作ったもので、氏のブログ(http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-entry-418.html)内にある。http://gunma.zamurai.jp/pub/2011/0911gmap06.jpg
早川氏は、オレからすると過剰な「福島・東北は汚染されている」という意識を持っている方なのでオレとは意見を異にする方であるが、氏作成の地図を見ても、東北よりは関東のほうが汚染されている。

福島からの避難者に対する態度は本当に正当なものなのか。そして、もし不当なものであるなら、その態度に対して効果的な対処まで考えたうえでの「避難すべき論」なのか。
残念ながら「避難すべき」論者にそこまで考慮したうえでの意見はなかったと判断している。

そもそも、本当に避難すべきなのかどうかもしっかり検証すべきことではある。

2、土地に対する捉え方の違いを無視していること。
田舎の人々の(特に年寄り)土地に対する考え方は、都会の人々の土地に対する考え方と全く違う。
それは農業をしていたり身近で農業をみて育ったりした人にとって、まさに土地は「生活の土台」であり、土地の所有は必須(日本の農業従事者は2000年かけて自らの土地所有権を勝ち取ってきた!!)であるのに対し、その土台から得たものから物を作ったり、売ったりして生活している人には土地はなくてもいいものだからである。土地に依って生きてきたことをわかっているから、簡単にその土地を離れることができない。
福島も農業県である。土地に対する考え方は都会の考え方とは違う人が多いだろう。
しかし「避難すべき」論者は、簡単に、しかも何の葛藤もなしに「避難すべき」を押し付ける。
都会のために原発をつくらざるを得ない状況に追いやられ、危険な原発の恩恵は都会の者のみが受け、いざ事故がおこると都会の人々に「その土地は汚れているから捨てろ」と言われる。2000年の闘争の末に勝ち取った土地所有権を、奪い続けてきた者の子孫であると思われる都会の人々に、都会の人々の都合で今また「捨てろ」といわれるわけである。

「避難すべき」論はある点で良心から主張されていることはわかる。しかし良心から主張されているからと言ってなんでも受け入れられるものではない。
「避難すべき」論は、前述の2点に対する考慮がなければ、あまりに上からの発言であると言わざるを得ない。
また「避難すべき」論の中には「西日本に」と限定するものもいるが、なぜ青森・秋田・山形ではダメなのか。安全なところに避難というのであれば、前掲早川氏作成の地図からみても、文化圏の問題からしても青森・秋田・山形で何の支障もないはずである。ここからは東北を下に見る意識がちらほらしている。
  


Posted by はぬる at 13:21Comments(0)山形・上山