2011年08月31日

足し算のやり方を知らない人々

1993年、国会議員の数は衆議院で512人、参議院で252人、衆参あわせて764人だった。

この約20年で国会議員は衆議院は32人減り480人、参議院は10人減り242人、衆参あわせて42人減って、722人である。この間、選挙制度は衆議院で中選挙区制から小選挙区制に変わった。

中選挙区制の頃と小選挙区制下の今を比べると、国会や政府の問題処理能力はどちらが高かったであろうか。また、社会の閉塞感の度合いはどちらが高いであろうか。
いろんな意見があるだろうが、少なくともこんな「メリーゴーランド」状態は中選挙区制下ではあまり見られなかった。このことだけでも、オレは今のほうが問題処理能力は低いと思っている。
また、閉塞感に関しても今のほうが強いと感じる人が多いのではないか。
(ただし、この点に関しては何か統計を取ったわけではないので、根拠はあまりないのだが)
そんな意味で、議員が多かった時のほうが、小選挙区制下より中選挙区制下の時のほうが、政府は政府然としていたし、国会は国会然としていたとも言えるだろう。

ところが、である。
こんな簡単な足し算ができずに(せずに?)、評論家や議員がテレビで偉そうに、「国会議員が多いのは予算の無駄だから減らしましょう」なんて言っているのだ。
小選挙区制下において首相のメリーゴーランド状態が続いたこと、議員が少なくなってきた時期と政府の問題処理能力が低下してきた時期が重なっていることについて、国会議員を減らせという人たちは、どう答えるのだろう?
いまだに国会議員が多すぎるから減らせ、という意見がテレビで聞かれるとは思わなんだ。
そんな奴らは、そう主張することでうまい汁を吸えるから言っているのだ。
そんな利益がないような一般庶民がこんな物言いに騙されてはいけない。自分の首を絞めることに他ならないからだ。

自分たちにとって日本がもっと住みよい国になってほしいと願うなら、今、選挙制度に関してすべきなのは、小選挙区を維持し議員定数を減らすことではなくて、中選挙区制に戻して議員を増やし様々な意見(もちろんその中には自身の政治的要求も含まれる可能性が高くなる!!)を国会に反映させることでないかい?

民主党は第二自民であることや、首相が野田だろうと野畠だろうと山田だろうと(川田でもいいよ)民主党である限り大した違いがないことは、民主党から中選挙区制に戻そうという声が上がらないことからはっきりしている。



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